GHOST IN THE SHELLやイノセンスの世界を、多くの画像や台詞で再現、解説したファンには堪えられない本。 GHOST IN THE SHELLを見る前にイノセンスを見に行った同僚が、解説書として買ったものを借りてきた。思い入れ深いシーンを数々の画像と台詞で再現、すぐにあの世界に引き戻される。だんだん返しがたくなってきちゃったので、今本屋で探し中。 イノセンスとGHOST IN THE SHELLだけぢゃなく、STAND ALONE COMPLEXの全話、原作の士郎正宗によるマンガ版攻殻機動隊1、1.5、2もちゃんと紹介されている。 そのほかにも押井監督や石川プロデューサーのインタビュー、声優陣へのアンケート結果、各種設定集などなど。 私が一番気に入ったのは、押井監督作品なら随所に出てくる引用の解説だ。こんな難しい台詞を瞬時に理解する、教養ある人たちがほとんどではなかったことを、心から祈る私は、もちろん初めて聞いた台詞が多い。しかし、こんな引用をできる押井監督は、教養ある大人なんだね。
攻殻機動隊Ghost in the Shellやイノセンスの原作にあたるコミックス。エピソードやおおよそのストーリーはこの中からとられているようだ。だが、雰囲気はかなり異なる。 映画と共通しているのは、ディテールにこだわっているところ。コマの間にも、びっしりと注釈や解説がかきこまれており、こういうのが好きな人はたまらないし、嫌いな人は頭が痛くなるだろう。もちろん私は前者。 おなじエピソードを使っていながら、映画版とコミックスではその描かれ方に開きがある。たとえば、ハッカー"人形使い"に利用され、脳内に偽りの家族との記憶を植え付けられたゴミ回収車乗務員…決して会うことも話すこともかなわない、妻子の記憶にこれからの生涯心を痛め続けるであろう映画のシーン。見ている方まで胸の痛くなる名場面だと思えるのだが、コミックスでは…。 登場人物たちの性格付けも、かなり明るめにシフトしているようだ。あまり深く考え込まない、悩まないような。特にバトーのキャラが違う。そして、こういうバトーももちろん嫌いぢゃない。 TVシリーズはあまり見ていないのだが、顔立ちなどから見ると映画よりTV版に近いのかも。特に素子が、かなり少女ちっくな顔立ちになっているところ。映画よりお転婆だしね。