突然現れては、誰かの身に降りかかろうとする悲劇的な死を、危機一髪のところで未然に防ぎ、ジムとだけ名乗って去っていく男。女性新聞記者のホリーは彼を知ってから、その謎とあまりにも青い瞳に惹きつけられ、やがて彼をとりまく事件の中へと巻き込まれてゆく。
　何故彼は誰かに危険が迫ることを知っているのか？特定の人物だけしか救えないのは何故か？そして、何のために？…彼を使って奇跡を起こさせているのは…人類の敵なのか、味方なのか？
　いや～久々に、怖くはあっても安心して、わくわくドキドキしてられるサスペンス(?)ものに出会えましたね～。まず、ジムの行動や目的も謎だし、彼自身が世間から隠れ住んでいるようで謎、しかもちょっとケビン・コスナーに似ている、と来た。魅力的なのに心に孤独を抱えるホリーが、まるで思春期のような感情とともに彼の謎に迫っていくのだから、もうお約束のとおりです。(^^)残酷なシーンや人間の暗い闇の部分が描かれていないわけではないのだけど、クーンツのものは後味が悪くないから、ちょっと疲れた時に読んでも大丈夫！前に読んだ作品も、ものすごく悲惨な事件だったのにお話自体が嫌いになれなかったのは、話のあとの主人公たちの人生が、間違いなく幸せであると確信できるラストだったから。これがクーンツの持ち味であるとは知らなかった。３作目は、もっと心がくたびれた時に読むため、まだとっておこうかな。(爆)